スマートフォンやデジタルカメラで撮影する写真。
多くの場合、標準のアスペクト比は3:2や4:3ですが、「16:9」というワイドな比率にすることで、写真の印象が大きく変わります。
今回は、シネマスコープ的な16:9の写真がもたらす視覚的な効果や魅力について紹介したいと思います。
16:9は映画の比率=ドラマチックな印象を演出できる
16:9はテレビや映画で広く採用されているアスペクト比。
これにより、写真にも「映画のワンシーン」のような印象を与えることができます。
私が好きなヨルシカの思想犯という曲のMVもシネマスコープの技法を使っています。
風景やポートレートを16:9にトリミングすると、このように一気にドラマチックでシネマティックな雰囲気が加わり、見る人の感情に訴える構図になります。
視線の誘導がしやすくなる
横に広い画角は、視線を左右に導く効果があります。
風景写真では奥行きを強調しやすくなり、ポートレートでは被写体の背景をコントロールしやすくなるため、構図にメリハリがつきます。
また、構図の中に「余白」を取りやすいため、主題がより際立つ効果もあります。
ミニマルな表現がしやすい
16:9のワイドなフレームは、上下の情報を大胆にカットすることが前提。
そのため、不要な要素を排除し、必要な情報だけを残す「ミニマルな構成」が自然と促されます。結果的に、印象に残る一枚を作りやすくなります。
お持ちのカメラがあれば、撮影時の写真サイズを16:9に設定してみてください。
ファインダーの世界が美しく見えるようになるはずです。
実際に私は16:9で1年以上撮影していた時期がありましたが、構図に対する認識が変わりました。
SNSやスクリーンに最適
また、昨今YouTubeのサムネイルや動画、最近のWebデザインは16:9を前提に作られることが多くなっています。
16:9で写真を構成すれば、PC画面でもスマホでも画面全体を使った見せ方ができ、視覚的なインパクトを最大化できます。
16:9は写真を“語る”ためのフレーム
16:9のシネマスコープ比率は、単なるサイズ変更以上の効果を持っています。それは、視覚的な物語性の追加。
写真が伝えたい“空気感”や“感情”を、より強く・より印象的に表現したいなら、ぜひ一度16:9での撮影やトリミングを試してみてください。